ベンチャー企業にいると、大きい会社よりも業績がいい時と悪い時を経験する機会が多い。(気がする)
当たり前だけど、業績がよくなると雰囲気がよくなって逆も然り。
今回はいい時悪い時にどうするべきか、というお話。
業績が悪い時
業績が悪い度合いにもよるけれど、キャッシュフローがまずいなレベルの業績悪化は会社に対してかなり大きな影を落とすことになる。
よくある流れとしては
1.経営者の余裕がなくなる
2.現場の至らないところに目がいくようになる
3.そこにばかりアプローチするようになる
4.現場が疲弊する、不満を持つ
5.とにかく目標の乖離を埋めようとパワーマネジメントが始まる
6.経営と現場、上司と部下などの間に溝が生まれる
7.信頼関係や心理的安全性が壊れ、パフォーマンスが下がる
8.業績も伸びず、退職者も増えていく
ここで大事なのは
別に誰かが悪いわけじゃない
ということ。
計画通りの業績をあげられなかったのは経営計画の甘さだったかもしれないし、
現場の判断や行動が至らなかったせいかもしれない。
でも総じて誰か1人のせいで業績悪化なんてことはまずない。
まずは会社全体のせいである、と考えること、そして何より
全員が自分にも原因があるという感覚を持って改善にあたること
が大事だと思う。
人のせいにしたって解決はどんどん遠のくだけなので、
まずは自分がどうするか、そこに全員が向き合うべきだと思う。
また、経営とそれ以外という分け方をして考えてみる。
経営者は業績の悪い時に孤独になりやすい。
お金がなくなる=会社が潰れる=従業員の生活を守れない=自分の家族も...
といった具合に様々な背負ったものに追い込まれることになる。
これは体験した人にしか分からない緊張感としんどさだと思うし、
わざわざこれをメンバーに言おうと思う人も少ないと思う。
実際に言ってみて人が離れていくんじゃないかという不安もきっとある。
現場は現場でパワーマネジメントが強くなっていくので疲れていく。
そして自分がしたことの結果が出なけりゃ自信もなくなっていく。
そうなりゃ誰でも言い訳したくなって、やりたくないとかあいつが嫌いだからとか適当な理由を脳みそが勝手に用意することになる。
僕は正直業績が悪化した時のベストプラクティスは持っていないけど、
両者がどんな想いを持ってこの局面に向かっているのか、
を理解することで解決することがたくさんあると思う。
それに業績悪化の時には会社の課題が浮き彫りになるので、
嫌でもそれを解決することになる。
それを乗り越えた時の個人の成長はハンパないし、
会社として圧倒的に強くなるチャンスでもある。
いざ直面した時に自分も自信はないけれど、
業績悪化はお互いをよく理解し成長するチャンスだと思う。
業績は全てを癒す
さて、雰囲気の悪かった会社がある日突然いい雰囲気になることがある。
そう、業績があがると会社の雰囲気は一気によくなるのである。
いままでいがみあっていた2人が手を取ったり、若手がやる気に満ちていたり
ポジティブなアウトプットや未来の話なんかが飛び交うようになる。
「いい会社だな」と思えるタイミングがどんどん増えていく。
ただ、業績好調を理由に回復した雰囲気は業績によって壊れるのである。
そして、業績は七難を隠す。
業績は七難を隠す
業績がいい時に怖いのがこれ。
業績は無条件に会社をいい雰囲気にしてしまう。
実態のない会社でも儲かっていたら自動的にいい会社になってしまうのである。
そしてこれは経営者やマネジメント層なら重々理解しているのにも関わらず
多くの人が調子に乗ってしまうのである。
課題は見過ごされ、そもそも課題を見つけようとする人口も減る。
そしてそのままの状態が続く、と誰しもが錯覚してしまうのである。
そして業績が悪化した時に、課題が噴出し最悪の事態に直面するのである。
業績がいい時にこそ次の一手を
業績の波を何度か経験している人は、業績がいい時に何をすべきかを理解している。
業績がいい時にしかできないことがたくさんあるということだ。
例えば育成なんかが最たる例であり、余裕がない時に育成には力を入れられない。
新規事業なんかもそう。お金と心に余裕がなければ手を出せない。
まとめると、業績のいい時にできる限り、中長期の業績にヒットする取り組みを行っておかなければならない。
惚れ惚れとする業績を眺めている場合ではなく、
次の業績悪化を招かぬように全力で未来の業績を作らなければならない。
僕は何度も何度もこの業績の波を経験しているのにも関わらず、
今だに業績がよければ調子にのってしまうし、悪化すると気分が落ちてしまう。
戒めとして書いたが、ぜひ会社を前に進めたい人にこの記事が役に立てば嬉しい。